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2017/06/06

個人間の借金問題に警察は力になれない?借金でこじれた時は民事裁判?

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悲しいことに、色々な揉め事が世にはあふれています。ただ、どうしてもお金が絡んだ揉め事ほど嫌なものはありません。しかもそれが知り合い同士で起こってしまったときには、私怨も合わさって、どうにもすっきりとした解決をしにくいのが現状です。

そこで、借金が関係してもつれたときに、どのような手段があるのか、あるいは注意すべきことはないのか、関係しそうなことについて、いくつかご説明していきます。

借金でこじれても警察は力になれない?裁判をすべき?

おカネ

Aさんに貸したお金が全く返済される気配がありません。Bさんは、返そうとしないAさんに腹も立ちますし、貸した金も取り戻したいと思っています。

ただ、残念なことに、警察にどうにかして欲しいと訴えたとしても、基本的にどうにもしてくれません。

一般の方がかなり勘違いをしていらっしゃるのですが、警察が対応してくれるのは刑事事件だけです。「民事不介入」という約束事があって、警察は民事事件には手を出すことができないのです。そして、「貸したお金を返してほしい」というのは、残念ながらAさんBさんの間でおこった民亊的な紛争なのです。ということで、基本的に警察に借金問題を訴えたとしてもどうにもなりません。

ただ、極めて例外的な場面で、警察が動いてくれることがあります。それは、Aさんが「最初から返すつもりがないのに、返すと嘘をついてBさんからお金を騙しとった」ような場面、つまり、詐欺罪が成立しそうなときです。
ただ、これにも残念なお知らせがあります。というのも、そもそも証拠が非常に難しいのですが、それに加えて、仮にAさんが逮捕起訴され、有罪判決を受けたとしても、何も問題は解決しないのです。

つまり、有罪になってAさんは何かしらの刑罰を受けることになります。Aさんは刑罰を受けるだけで、Bさんにお金を返すということは、この刑事事件からは何ら導かれないのです。残念ならが、これは刑事事件で、悪いことをしたAさんの行為を裁判で評価する、というものに過ぎないのです。
つまり、Bさんにとっては、Aさんが有罪になって何となく気持ちは晴れるかもしれませんが、この手段では、残念ながらお金を取り返すことは望めません。

<下に続く>

借金でこじれたときは民事裁判?①

闇

ということは、お金を返してくれ、というときは、民事裁判を利用することが考えられます。理屈ではそのようになります。ただ、現実的に難しい問題がいくつか発生します。それを以下で指摘してみましょう。

まず、民事裁判を利用する、となったときに、果たしてあなたはどうすればよいかわかりますか?おそらく、自分ではどうすることもできない方が多いでしょう。となると、弁護士・司法書士といった専門家に依頼する必要があります。さて、これらの専門家を利用するのに、弁護士であれば30分あたり5400円が相場の相談料を支払わなければなりません。いざ受任してもらうとなると着手金が必要ですし、裁判が終わると成功報酬を支払わなければなりません。裁判所に訴状を出すためには印紙代もかかりますし、弁護士さんの交通費などの費用も負担する必要があります。

さて、仮にBさんが貸したお金が何百万円・何千万円にものぼる大金であるのならば、これだけの費用をかけてでも裁判をすることに意味があるかもしれません。しかし、もしAさんに貸したお金が数十万円、あるいは数万円にしか過ぎなかったとき、果たして、これだけの費用・労力をかける意味はあるでしょうか。
おおくの方が首を横に振るでしょう。

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借金でこじれたときは民事裁判?②

さて、それでも民事裁判をやるんだ、という方。もちろん、それは間違いではありません。ただ、もう一つ残念なお知らせがあります。

お金を借りたAさんが、もはや借金を返す能力が全くないとき、裁判で勝ったとしても何の意味もなくなってしまいます。

お金を返してくれという裁判を提起します。Bさんの言う通りだと裁判で認められ、Aさんに対してお金を返すよう判決が出たとしましょう。裁判自体はBさんの勝訴です。ただ、Aさんには返すあてが一切ありません。手元にお金がないだけでなく、自宅・自動車など、差押えができそうなものもありません。

となると、裁判所としてはそれ以上どうすることもできません。Bさんの手元には「勝訴した」という判決書が残りますが、ただそれだけです。

そもそもよく考えて頂きたいのですが、裁判を提起されたAさんからしてみれば、いわれのないような請求でない限り、お金を借りたのは事実なわけですから、何カ月も厄介で面倒な裁判をするくらいならば、さっさとお金を返してしまった方が手っ取り早いはずです。にもかかわらず、お金を返さずに裁判を最後までやってしまう(あるいはそもそも裁判所に出廷さえしない)というのは、返すお金がそもそもないからでしょう。

とすると、現実的に考えたときに、果たして民事裁判をわざわざ提起するメリットはどこにもないように思われるのです。

<下に続く>

借金でこじれたときは裁判?

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それでは、お金を貸したのに返してもらえないとき、どうすることもできないの?ということになってしまいます。正直なことを言いますと、だからこそ「人に金を貸してはいけない」「友人間でお金の貸し借りは厳禁」ということが言われるのです。

とは言っても、完璧な泣き寝入り、ということでもありません。一番現実的な手段について、以下で簡単にご説明します。

一番簡単なのは、当事者間で話し合いの機会を持つことでしょう。対面で、Aさんの情に訴えるのです。Aさんが翻意して返済してくれるかもしれません。ただ、Aさんがどうにも意固地になっているときには、証拠を突き付けてやることが考えられるでしょう。そこで役に立つのが「借用証書」です。

お金の貸し借りは基本的にすべきではありませんが、万が一貸すのであればしっかりと借用証書を作っておきましょう。誰が誰に、いつ、いくらを貸したのか。そして、返済日はいつの約束なのか。利息はどのように計算するのか。そして、返済日に支払われなかったときには、遅延損害金をどのように取り扱うのか。
このような事項をしっかりと記載して、ABの両名の署名をするのです。ネットで検索すればひな形がたくさん出てきますが、借用証書に「これでなければいけない」という絶対の形はありません。上で述べたことがしっかりと記載されていてサインがあれば問題ありません。

そして、しっかりとした借用証書をつきつけられたなら、Aさんも文句を言えないわけですから、お金を返そうという気にもなるのではないでしょうか。

この話し合いの場を作るために、「民事裁判の提起」という手段を使うのも一つでしょう。判決までするつもりはなく、そもそも和解をしてしまう目的で訴状を送りつけるというのも悪い手段ではありません。他にも支払督促を地方裁判所か簡易裁判所に申し立てることで、Aさんを引きずり出すことも可能です。

ただ、いずれにしてもAさんに返済する余裕がなければどうしようもないのは共通した問題点です。

<下に続く>

個人間の借金問題に警察は力になれない?借金でこじれた時は民事裁判?のまとめ

少額の借金ほどタチが悪い、と言われるのは、以上のような理由からです。国の制度を利用しても結局完全に取り立てるのは現実的には厳しいのです。とすれば、できればお金の貸し借りはしない、とするよりほかはないでしょう。

ちなみに、今回はお金を貸したBさん側の目線で書かせていただきましたが、お金を借りているAさんの立場のあなた、しっかり借りたお金は返しましょう。少額のお金と引き換えに失うものの価値はそれ以上に大きいですよ。

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